第42回 【タルムード集】金持ちになりたい人が絶対聞くべき小話 ~七匹の太った牛と七匹の痩せた牛~

地球儀
モモンガ村長

今日のテーマは、大人気  タルムードシリーズです。

世界の人口の約0.25%に過ぎないユダヤ人ですが、ノーベル賞受賞者の20%がユダヤ人と言われていて、世界の長者番付で常に上位に彼らがいます。それほど、ユダヤ人というのは、頭脳が優秀・大金持ち・成功者が多い、このように言われています。彼らの成功の土台となっているのが、タルムードです。この書物に書かれていることは現代社会を生きている我々にも通じる所がたくさんあります。ぜひ、皆さんも参考にしてほしいと思います。

ってことで、今回は『七匹の太った牛と七匹の痩せた牛』という話をしていきたいと思います。『成功の大原則』とも言える考え方が学べますので最後まで見ていってください。僕の実体験から言っても、とても説得力のある小話となっています。

牛の大群

米国株の有名指数であるS&P500が連日最高値を更新し続けています。コロナショックはどこへやらという感じです。寝ているだけでお金が増える、夢心地の人もいるかもしれません。こんな時こそ聞いておきたいお話を紹介します。相変わらず義務教育で教えてくれ!って話になっていますので、ぜひ最後まで見ていってください。

では行きましょう。『七匹の太った牛と七匹の痩せた牛』のあらすじです。

ある時、エジプトのファラオが夢を見ました。ナイル川のほとりから、まるまると太った七匹の牛が次々と現れました。その体格の良い屈強な牛たちは、ナイル川に生えている植物を食べていました。

ファラオがその場を立ち去ろうとすると、今度は、ガリガリに瘦せこけて、あばら骨が見えるいかにも不健康そうな牛が七匹現れました。そしてなんという事か!その痩せた牛たちは、自分より太った七匹の牛を次々に食べてしまいました!

ファラオはこの夢がどういう事なのか、国中の預言者や臣下を集めてきたが誰にも分かりませんでした。たまたまその時、牢屋に閉じ込められていた、ヘブライ人が夢を上手く読み解くということで、ファラオの前に召しだされた。この男こそ、後にエジプトの最高執政官となるジョゼフでありました。のちに人類史上最初の経済学者と言われる男です。

ジョゼフはファラオにこのように伝えました。

『エジプトはこれから7年間大豊作が訪れます。しかし、その後の7年間は大飢饉が訪れます。人々が大豊作のことを思い出したくても思い出せないほどの恐ろしい大飢饉です。』

『ではどう対策すればよいのか?』とファラオが尋ねると、ジョセフはこう答えました。

『豊作の7年間に、毎年の収穫を食べつくしてしまわずに、飢饉の7年間を乗り切れるための、可能な限りの貯蓄をすべきです。』

こう答えたわけです。ファラオはその通りにして、穀物を可能な限り倹約・貯蔵しました。その後、エジプトには大豊作が訪れた。豊作の7年間が過ぎると、8年目に予言通り大飢饉が訪れました。その大飢饉は、エジプト全土のみならず全世界に及び人々を苦しめました。多くのエジプト周辺諸国は大飢饉により、その富の全てを失ってしまいました。ジョゼフの進言を取り入れたファラオのエジプトだけは、蓄えていた穀物で長き受難を乗り超えられたのである。

干ばつ

こういうお話だったんですね。さあ皆さん、どう思われましたか?解説に移ります。

『七匹の太った牛と七匹の痩せた牛』とはどういう話なのかというと、

豊かさの次には貧困が訪れるんだよ!

抜けられたのは『準備した者だけ』なんだという原則を伝えるお話という事です。

盛者必衰の理で有名な【平家物語】、怠け者のキリギリスが痛い目に遭った【アリとキリギリス】。一時の豊かさにあぐらをかいていると、ヒドイ目を見るって事です。いつの時代、どこの国でも、見られるよくある話なんですね。問題は、なぜこの手の話が多いのかっていう点です。

答えは単純です!いつになっても皆がこの罠にハマるからって事です。このお話のポイントは、この3つです。

牛は何を象徴しているのか?
皆、現状認識が出来ていない
何をどれだけ蓄えるべきか? 順番に見ていきましょう!

ポイント①『牛は何を象徴しているのか?』

って事ですが、牛は『収入』を意味すると思ってください。豊作(太った牛)=豊かな収入のことですね。不作(痩せた牛)=貧しい収入のことを意味します。この話をより深く理解するために、なんで牛の数は七匹なのか?どうも理由があるみたいです。ユダヤでは【7】という数字を一区切りと考えるそうです。ヘブライ聖書によると、神は天地創造を6日で成し遂げ、7日目に休養したとあります。6日働いて1日休みというサイクルは、人類史上初めてユダヤが作ったと言われています。また、ユダヤでは6年間収穫年にして、1年を休耕年にするそうです。経済の変動もざっくり、7年周期と考えているそうです。この物語は、太った牛=豊かな収入は7年しか続かないつもりで備えましょうと言っているわけですね。例えば、

皆さんの手取り年収が800万円だったとしましょう。その中の生活費は400万円。多くの人が今の収入はずっと続くわ!と思っているはず。残った400万円で生活レベルを上げたり、浪費に使ってしまっているんですね。本当にこういう人が多いです。

太った牛が永遠に続くのであれば、もし、8年目にリストラされたら、どうでしょう?収入ゼロ、その他生活費400万円で毎年400万円の大赤字。このままでは、あっという間に破綻してしまいます。豊作にあぐらをかいて、備えを怠ったエジプトの周辺諸国と同じ結末です。一方で、太った牛で毎年倹約し、400万円の貯金を貯められた人は、7年間で2,800万円の備えを作れたことになります。これなら、たとえ収入がゼロになっても7年は戦える計算となります。

ポイント②『皆、現状認識が出来ていない』

皆さんに質問します。

皆さんのところには、太った牛が来ていますか?それとも痩せた牛が来ていますか?僕の認識では、年功序列・終身雇用を信じて会社員を続けている、アメリカのハイテク株で資産を増やしている人のところには大分太った牛が来ています。要するに、それいつまでも続かないと思うよって事です。いつか痩せた牛が来る事に備えて準備した方が良いです!確かに、会社が好調な時や株式が上昇傾向にあるときは、痩せた牛のことを考えた方がいい!と言っても聞き入れてもらえないでしょう。こういうことを言うと必ず、『今から負け戦の準備してどうするんだ!この腰抜けが!』なんてことを言われますが、確かにこう人の中から、億万長者や生まれるのも事実。でも多くの人が敗れ去っていくのもまた事実。って事は知っておいてください。大きな勝負をしたら、いつか大きく負けるだけです。好景気・不景気はサイクルがあるっていうのが世の中なんですね。

ポイント③『何をどれだけ蓄えるべきか?』

ここまでの話を聞いて、太った牛=豊かな収入はいつまでも続かないという事。太った牛が来たら、それに気付き現状認識をしなければいけない。この2つについて、わかってもらえたかなと思います。問題はこの2点を踏まえて、将来に対してどれだけの備えをが必要かどうかです。

今回の物語では、ジョゼフがファラオに対して、飢饉を乗り切るためのできる限りの備蓄をすべき!ってだけ進言しているんですね。これいざ自分のケースに当てはめてみると難しくないですか?今、会社の業績が良くて、ボーナス100万円出たとしましょう。でもこんな景気はいつまでも続かないから将来に備えておこう!でもいくら残せばいいのか?こんな感じになりますよね?

ジョゼフの言う通り、できる限り備蓄って事になると、全額備蓄しろってこと?!これを突き詰めていくと、仙人のような超ドケチ生活になる訳です。ずっと貯めて人生終わっちゃいます。現在は、ひと昔と比べて、かなり恵まれてます。戦後世代の皆さんにとって、飢饉という言葉は昔話でした聞いたことないですよね。

厚生労働省の調べによると、2016年日本で飢餓での死亡者数は16名だそうです。つい数百年前の江戸時代では、四大飢饉での死亡者数は数百万人とされています。今のような恵まれた世の中で生活していると、QOLを保ちながら、将来に対してどれくらい備えればいいのかと考えることは非常にムズイんですね。

考え方は人それぞれなんですけど、村長的適切な将来の備えとして3つのアドバイス。

  • 経済的地自由を達するまでは、ひたすら全力で備えよ

経済的自由を一回達成してしまえば、輸入減が複数になるから痩せた牛が来ても問題ないですよね?

  • 収入の〇%を貯蓄し続けよ

痩せた牛の来ている会社員(リストラされた)・経営者(業績不振)・フリーランス(売上激減)は生活の立て直しに全力を尽くすべきです!でもそうでないのなら、収入の〇%は備えに回す。備えが増えれば、生活の質も向上、その他貯蓄に回すなど、QOLのバランスも良いですよね。有名な著書『バビロン大富豪の教え』の中では、収入の10%を貯蓄に回せと言っています。これを守り続けるのも良いアイディアだと思います。

  • 収入の〇%を『人』と『スキル』に使え

痩せた牛の期間を乗り切るために必要なものを倉庫にためておいた穀物=金融資本。必要なものはそれだけとは限らないんですね。例えば、社会資本。助け合える家族や仲間ですね。他にも人的資本。本業とは別のことで稼ぐスキル。これも対策になるんですね。ここは、お金の使う力の試されるところです。収入の10%を交際費や自己投資にあてるのもスジが良い考え方かなと思います。という事で3つのアイディアを説明してきました。

モモンガ村長

最後に、大事な補足をしておきます。タルムード的な考え方だと、豊作の後には必ず不作が来ますが、不作の後には豊作が来るとは限りません。悪いことも耐えていれば何とかなる、こういう事に期待しないのがユダヤ人だそうです。痩せた牛は自分の力でどかすしかないってわけです。苦しい現状を打破する突破口というのがこれ!

ノーペイン・ノーゲインの法則(犠牲無くして成功なし)

崖を飛び移る男

適正リスクをとる勇気。つまり犠牲・痛みを感じつつ、適正なリスクをとって、勇気を出して行動をおこす。それが、太った牛が訪れる未来に繋がった道となります。

今日が人生で一番若い日です!

調子の良い時こそ、将来に備えるというスタンスを心がけよう!ユダヤ人の人生の羅針盤という書物タルムードの中から、『七匹の太った牛と七匹の痩せた牛』の話を紹介しました。豊かさの次には貧困が訪れる。切り抜けられるのは準備したものだけ。っていう原則をお伝えする話となります。この話に出てくる牛は、収入を象徴しています。太った牛は、豊かな収入を象徴し、7年ぐらいしか続かないと思えというのが古くから伝わるユダヤの教えです。皆さんが豊な生活を守り続けれるかは、太った牛が来ている期間にいくら貯め込めるかにかかっています。多くの人は、自分に太った牛が来ていることに気づかずに、得られている収入を全て使い切ってしまいます。

モモンガ村長

私たちの親世代は高度経済成長期、年功序列・終身雇用、この時期は太った牛が訪れているボーナスステージでした。残念ながらこの物語のように、豊作の時期は永遠に続かないことが証明されてしまいそうです。給料削減・中年リストラ・役職定年・退職金カットその他たくさんありますよね。痩せた牛の登場機会がどんどん増えています。サラリーマンをディスりたいわけではありません。会社員でも経営者でも誰でも、大切なのは油断せず備えておくこと!今は、コロナ特需で株価はウハウハですが、そろそろ痩せた牛の出番かな?と思っています。

今一度、リスク許容度を見直して将来に備えましょう!調子の良い時こと、おごらずに将来に備えましょう!

ではまた!良い一日を!

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